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健心・健体 呼吸法
 この本は、昭和62年に発刊されているが、私が手にしたのは平成19年1月、西国33観音霊場巡拝の際、4番の施福寺である。
お釈迦様と呼吸法の文字にひかれ、この寺の売店で入手した思い出深い書籍である。
また、呼吸法の勉強に一層の熱意を駆り立てた貴重な文献であるといえる。




   釈尊の呼吸法
○「釈尊の呼吸法」という本がある。
 


 著者は村木弘昌という東大で医学博士を授与され、平成三年に逝去された方だ。この中で「大安般守意経」を紹介している。

 大安般守意経

 このお経は漢の初期に中国に招来されたもので、仏口つまりお釈迦様の直々の教えだというのである。

『釈迦がある時、祇園精舎で多くの弟子を集めて正しい呼吸の重要さについて話された。出息入息を念じつつ行なうならば、おのずと下腹部の充実した丹田呼吸になっている。この呼吸法は眼も疲れず病まず、そしてものの観方、考え方が深まるままに楽しい生活ができ、後で悔を残すような楽しみに染まらないことを覚えるであろうと。かように出入息法を修行するならば大いなる果と大いなる福利を得るであろうと。かような呼吸によって深く禅定に進み行けば慈悲の心を得、迷いを断ち、證に入るであろう。』

 アナパーナ・サチ(安般守意)とは、「心をこめた(サチ)、呼吸(アナパーナ)」の意味で、丹田呼吸法の原型と云えるもだという。その内容は、出る息を長くする、つまり調息を中心とした呼吸法である。

 釈尊は、若い頃、当時の求道者の例にならって、様々な荒行をした、その中には息を止める、つまり「断息」も入っていた。
苦行六年の後、釈尊は苦行のみでは悟りが得られないことに気がつかれた。
そして、新たに始められたのが新しい呼吸法だった。
最初は、吸う息(吸気)も、吐く息(呼気)も目いっぱいに長く呼吸していた。それがやがて長く吸うことの無駄を知り、吐く息だけを長くする、呼主吸従の呼吸法に変わっていった。
 釈尊の呼吸法は、やがて数息、相随、止、観、還、淨の六段階に発展していった。身体の不浄を取り除く方法として、釈尊の呼吸法が一段と深まった段階が数息という。「数息」は文字通り、ヒトーツ、フターツ、ミーッツ、と云う具合に、数を数えながら息を吐く。これにより次第に長息に馴れていく。この方法は、現在でも非常に役に立つ精神集中方法だ。